要点まとめ
採用面接の準備とは、3つのことを把握して本番に臨むことです。その仕事に何が求められているか、それを裏づけるどんな経験があなたにあるか、そしてそれを口頭でどうわかりやすく伝えるか。あとはすべてそこから導かれます。
具体的には、準備は7つのステップに分かれます。求人票を読み解く、企業について調べる、面接官の視点で自分の経歴を見直す、エピソードを準備する、定番の質問への答えを考える、面接官への質問を用意する、そして声に出して練習する。所要時間は数時間ほどで、できれば数日に分けましょう。本番で差がつくのは、読むことよりも声に出す練習です。
ステップ1:求人票を読み解く
求人票は最良の情報源です。面接官が何を確認するのかが、はっきりと書かれています。印刷するかコピーして、求められていることにすべて線を引きましょう。
次に、それらを2つの列に分けます。必須のスキル(最初に書かれていたり、繰り返し登場したりすることが多い)と、歓迎されるスキルです。必須のスキルのそれぞれについて、自分の経歴から具体例を少なくとも1つ挙げられるようにしておきましょう。
主な業務内容:日々どんな仕事をするのか。
記載されている専門スキルやツール。
求められる人物像:自主性、几帳面さ、対人スキル、チームワークなど。
背景:新設ポジションか、欠員補充か、成長中のチームか、変革プロジェクトか。
何度も出てくる言葉:それが本当の優先事項であることが多いです。
ステップ2:企業について調べる
「当社について何をご存じですか」「なぜ当社で働きたいのですか」は、最もよく聞かれる質問の一つです。「評判がよく、働きやすい会社だから」といったありきたりな答えはすぐに見抜かれ、調べていないことが伝わってしまいます。
すべてを網羅する必要はなく、要点を押さえることが大切です。企業が何をしているのか、誰を顧客としているのか、現在どんな状況にあるのか、そして具体的に何に惹かれて入社したいのかを、1分で説明できるようにしておきましょう。
企業の公式サイト:事業内容、製品やサービス、顧客、企業理念、「採用情報」や「キャリア」のページ。
最近のニュース:新製品の発表、拠点の開設、買収、業績、報道記事。
企業のLinkedInページ、可能であれば応募職種に近い仕事をしている人のプロフィール。
社員の口コミ:鵜呑みにせず参考程度に。社風を知る手がかりにはなりますが、絶対的な真実ではありません。
面接官の名前がわかっている場合は、その役職と経歴。
ステップ3:面接官の視点で履歴書を見直す
面接官はあなたの履歴書を手元に置き、それをもとに質問してきます。1行ずつ読み返し、それぞれの経験について、何をしていたか、何を学んだか、なぜ辞めたのかを説明できるようにしておきましょう。
質問されそうな点も洗い出しておきます。ブランク期間、ごく短い在籍期間、キャリアの方向転換、記載しているもののあまり得意ではないスキルなどです。口ごもるよりも、短く正直に、前向きな説明をするほうが常に好印象です。
ステップ4:具体的なエピソードを6〜8個準備する
面接の質問の多くは、突き詰めれば証拠を求めるものです。「〜した経験を教えてください」「〜にどう対処しましたか」。面接官を納得させる候補者とは、長所があると主張する人ではなく、その長所を発揮した場面を語れる人です。
職務経験、インターンシップ、学業、課外活動などから、6〜8個のエピソードを集めておきましょう。それぞれをSTAR法で組み立てます。Situation(状況)、あなたが担ったTask(課題)、あなた自身が取ったAction(行動)、そして得られたResult(結果)です。結果はできるだけ数字で示しましょう。
誇りに思っている成功体験と、その測定可能な成果。
困難や失敗と、そこから学んだこと。
チームでの仕事と、その中でのあなたの具体的な役割。
あなたが収めた意見の相違や対立。
プレッシャーのかかる状況や、厳しい納期のもとでの経験。
指示される前に自分から取り組んだこと。
ツール、テーマ、職種などを短期間で習得した経験。
ステップ5:定番の質問への答えを準備する
ほとんどの面接で聞かれる質問があります。これらは候補者を陥れるためのものではありません。それぞれの質問で、面接官は志望動機、職務との適合性、物事を客観的に振り返る力など、特定の点を確認しています。それぞれについて回答の骨子を準備しておきましょう。ただし丸暗記は不要です。
「自己紹介をしてください」:応募職種を意識した90秒の自己紹介を、3段階(現在・過去・未来)で。
「なぜこの仕事を?なぜ当社で?」:企業研究で得た情報にもとづいた志望動機。
「なぜあなたを採用すべきなのですか?」:この仕事に最も役立つ2〜3の強みを、それぞれ裏づけとともに。
「あなたの長所と短所は?」:具体例で示した長所と、改善に向けた取り組みを添えた本当の短所。
「失敗談を教えてください」:実際にあった出来事、あなたが負うべき責任、その後に変えたこと。
「5年後にどうなっていたいですか?」:この仕事と一貫した方向性を、固定的な計画にはせずに。
「希望年収はいくらですか?」:この職種と経験年数の相場をもとに事前に用意した、現実的な金額の幅。
ステップ6:面接官への質問を準備する
「何か質問はありますか」は、ほぼすべての面接の締めくくりに聞かれます。「いいえ、特にありません」と答えると、関心を示す最後のチャンスを逃してしまいます。質問を3〜5つ用意しておき、それまでに話題に出た内容に応じて2〜3つ聞きましょう。
最適な質問は、仕事の内容と、その仕事で成果を出すことに関するものです。休暇や福利厚生についての質問は、面接官のほうから話題にしない限り、選考の後半に取っておきましょう。
「このポジションの典型的な1日、あるいは1週間はどのような流れですか」
「最初の6か月で優先される目標は何でしょうか」
「配属予定のチームはどのような体制ですか」
「このポジションで活躍している方には、どのような共通点がありますか」
「今後の選考はどのように進みますか」
ステップ7:声に出して練習する
最も見落とされがちですが、最も効果的なステップです。頭の中では明快に思える回答も、実際に口に出すとまとまりがなくなったり、長すぎたり、たどたどしくなったりします。こうした欠点は声に出して練習しなければ見えてきません。繰り返し練習することで、落ち着きと簡潔さが身につきます。
練習方法はいくつかあり、組み合わせると効果的です。時間を計りながら声に出して答える、自分を録画して姿勢や口癖を確認する、家族や友人に面接官役を頼む、面接シミュレーターを使う、などです。
回答は1〜2分を目安にしましょう。それ以上になると面接官の集中が途切れます。
覚えるのは文章ではなく、考えとエピソードです。暗唱した回答はすぐにわかります。
苦手な質問にも取り組みましょう。差がつくのはそうした質問です。
少なくとも1回は本番と同じ条件で練習しましょう。同じ時間、同じ服装、同じ形式(対面またはオンライン)で行います。
前日と当日
前日は、すべてを覚えようとしないでください。メモを読み返し、段取りを確認して、しっかり休みましょう。当日の目標は、直前の詰め込みで疲れ切った状態ではなく、余裕を持って臨むことです。
時間、場所またはオンライン会議のリンク、面接官の名前と役職を確認しましょう。
対面の場合:移動時間には余裕を持たせ、数分前に到着しましょう。早すぎる到着は避けます。
オンラインの場合:通信環境、マイク、カメラをテストし、無地の背景と静かな場所を選びましょう。
履歴書、求人票、質問リストのコピーと、メモを取る道具を用意しましょう。
企業の雰囲気に合った服装を選びましょう。迷ったら、少しフォーマル寄りにするのが無難です。
直前には、3つの重要な要件と一番のエピソードを見直し、深呼吸しましょう。
面接のあと
24時間以内に面接官へ短いお礼のメッセージを送ると、関心の高さを示せるうえ、面接でのアピールポイントをあらためて伝えることができます。簡潔に、相手に合わせた内容にしましょう。
記憶が新しいうちに、聞かれた質問と自分の答え方をメモしておきましょう。うまくいったこと、答えに詰まったこと。このメモは二次面接以降でも大いに役立ちます。伝えられた連絡期限を過ぎても返事がない場合は、丁寧に問い合わせても何の問題もありません。
最も痛手となるミス
企業のことも、具体的な業務内容も知らずに面接に臨む。
長所を主張するだけで、具体例で示さない。
応募職種に向けた経歴を語る代わりに、履歴書を読み上げる。
前職の会社や上司を悪く言う。
5分もかけて答え、質問の趣旨から外れてしまう。
「何か質問はありますか」に「いいえ」と答える。
書いて準備するだけで、一度も声に出して練習しない。
よくある質問
面接の準備にはどのくらい時間をかけるべきですか?理想的な時間はありませんが、数時間を数日に分けて確保すれば、7つのステップをこなし、何より声に出す練習を何度か行えます。重要な面接であれば、日程が決まった時点で準備を始めましょう。
回答は丸暗記すべきですか?いいえ。覚えるのは回答の構成とエピソードで、文章ではありません。面接官は自然なやりとりを求めており、暗唱した回答はすぐに見抜かれます。
職務経験がない場合はどう準備すればよいですか?インターンシップ、ワークスタディ(学業と仕事を並行する制度)での経験、学業でのプロジェクト、アルバイト、ボランティア活動などを根拠にしましょう。長所を示すエピソードとして、職務経験と同じくらい有効です。
オンライン面接はどう準備すればよいですか?基本的な準備は対面と同じです。それに加えて前日に機材のテストを行い、静かで明るい環境を整え、画面ではなくカメラを見て話す練習をしましょう。






